健康診断で、白血球の数値が高いといわれた…。
これってストレスが原因?それとも病気?
「白血球が多くなる原因」をお医者さんに聞きました。
数値が万単位の場合は病気の疑いが強くなるため、早めに病院で再検査しましょう。
白血球が多い…これってストレスのせい?
また、現在「ストレスにより白血球が増える」という明確なエビデンスはありません。
ただし、ご自身で「ストレスが溜まっている」と自覚しているのであれば、対策が必要です。
ストレスは自律神経の乱れにつながり、さまざまな心身の不調につながります。
こまめにストレスを発散するように心がけましょう。
「白血球が多い」とされる基準は?
人間ドック学会では、白血球の基準範囲を「3100μL~8,400μL」と定めています。
10,000μL以上になると、異常数値と考えます。
白血球が多いと「いつも指摘される」原因は?
健康診断で毎回「白血球の数が多い」と指摘されます…。
この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか?
健康診断のたびに白血球が多いと指摘される場合は、
- 肥満傾向にある
- 喫煙している
といった原因が考えられます。
これらの原因による白血球数の変化を「生理的変動」といいます。
生理的変動によって白血球が多いこと自体は問題ではありません。
ただし、肥満や喫煙は、生活習慣病のリスクを上昇させ、動脈硬化を引き起こす要因となるため、改善する必要はあります。
生活習慣を改善しよう
肥満の人は、まず、食生活を見直すことが大切です。
特に、糖質・油分のとりすぎを避けてください。
また、ウォーキング・ジョギングなどの運動習慣をつけて、体重を適正にしましょう。
喫煙する人は禁煙が必要です。タバコは体に害ばかりで良いことはありません。
肺ガンのリスクも上がります。
肥満を解消し、禁煙することで、白血球が通常の数値に近づいていくと考えられます。
一時的に白血球が増えることも
喫煙・肥満傾向のほか、高タンパクの食品をとった後や運動後などに、一時的に白血球が増加することもあります。
また、「朝は少なく夕方ごろから増加する」「夏場よりも冬場の方が増加する」など、検査を行う時間帯や季節によっても白血球の数値は変動します。
このほか、生理や出産、風邪などの感染症が原因で、一時的に白血球が増えることもあります。
【数値が20,000以上は要注意】病気が隠れているケースも
この場合に疑われる病気は、下記の通りです。
- 白血病
- 膠原病
- 肝硬変
要注意な病気① 白血病
白血病は、原因不明のことも多いですが、加齢・喫煙・抗ガン剤治療などにより発症する場合があります。
進行すると、重度の貧血で動けなくなったり、肺炎・敗血症などを起こしたりして、命を落とすこともあります。
こんな症状があらわれることも
- 疲れやすい
- 顔色が悪い
- めまい
- 息切れ
- 動悸
- 発熱
- 鼻血
- 歯肉からの出血
- 皮下出血
要注意な病気② 膠原病
関節のこわばり・腫れ・痛みなどの様々な症状があらわれます。
膠原病は、「関節リウマチ」「全身性エリテマトーデス」「シェーグレン症候群」など、共通した特徴を持つ病気を総称したものです。
本来は病原菌に対して働く免疫が、自分自身を標的にしてしまうことで、様々な症状を引き起こすと考えられています。
ストレス・疲労などが原因として考えられますが、まだ解明されていません。
病気が進行すると、体調不良の日が続き、日常生活に支障をきたすこともあります。
こんな症状があらわれることも
- 関節のこわばり・腫れ・痛み
- 発熱
- 倦怠感
- 体重の減少
※人によって、あらわれる症状は異なります。
要注意な病気③ 肝硬変
ウイルス感染・アルコール摂取過剰・薬物などが原因で発症すると考えられています。
病気が進行すると、黄疸・腹水(お腹が膨れる)・むくみなどの症状があらわれたり、肝臓ガン・肝性脳症などの合併症を発症したりします。
こんな症状があらわれることも
- むくみ
- 黄疸
- 腹水(お腹が膨れる)
- 手のひらが赤くなる
- 倦怠感
- 髪の毛が抜ける
- 尿回数の異常
※初期の段階では、症状がありません。
「白血球が多い」と指摘されたら、病院で相談しよう
検査の数値が20,000〜30,000μL付近で、「白血球が多い」と指摘された際は病院で詳しい検査を受けましょう。
何らかの病気が潜んでいる可能性があります。
命に関わる病気が隠れていることもあるので、早めに受診しましょう。
何科で相談すればいい?
病院では、再度の血液検査を行います。
また、尿検査や超音波検査、CTなども行われることが多いです。
再検査を受けるときに「心がけること」
白血球の値が変動するリスクがあるため、前日は、アルコールは控えて早めに就寝しましょう。
また、過度の運動や体に負担がかかる活動は控えましょう。
げんせん: epark.jp