子どもが高熱を出した…。
熱せん妄になっているみたいだけど、病院に行くべき?
熱せん妄の疑いがある場合に病院を受診する目安について、お医者さんに聞いてみました。
熱せん妄かも…病院の受診目安は?
熱せん妄と思われる症状がある場合は、念のため病院で診てもらいましょう。
特に、
- 発熱に伴う異常行動が1時間以上持続する
- けいれん・しびれ・まひが起きている
という場合は、速やかに病院で受診しましょう。
※異常行動の例…寝ていたのに急に起き上がり、大声で叫ぶ・走り回る・支離滅裂なことを話し始める 等
熱せん妄は10~15分、遅くても数時間で症状が改善するケースが多く、後遺症が出ることは少ないと考えられています。
ただし、「いつまで経っても症状が続く」「けいれん等の症状がみられる」という場合には、脳炎や脳症など、脳に障害が起きていることが疑われます。
熱せん妄は「脳炎」や「脳症」との判別が難しいため、こうした病気を見逃さないためにも受診が必要です。
病院は何科?
初診の際には、下記の内容を伝えると診察がスムーズです。
- 発熱が出現したのはいつか
- 言動の内容や神経症状の有無
- 既往歴
- 治療中の疾患の有無
- 服用中に薬剤の有無 など
熱せん妄ってどんな状態?
発熱に伴う異常な行動を総じて「熱せん妄」といいます。
「幻覚」「錯視」「錯乱」「異常行動」といった症状が見られる場合は、熱せん妄の疑いがあります。
幻覚 | 実際にはないものが見えたり聞こえたりする |
錯視 | ものを見間違える(例:壁にできたシミを人影と勘違いして怖がる) |
錯乱 | 支離滅裂な言動がみられる |
異常行動 | 急に家から飛び出す、窓を開けて飛ぼうとする など |
熱せん妄の原因は?
発熱によって脳の温度が上がり、“ノルアドレナリン”や“ドーパミン”などが産生され、脳に影響を及ぼすことが原因とされています。
ただし、詳細なメカニズムはまだ判明していません。
熱せん妄になりやすい人は?
また、発熱した日とその次の日に起こるケースが多いです。
熱せん妄になったときの対処法
- 発熱後2~3日は子どもから目を離さない
- 身体を冷やす(熱が上がりきって暑がっている場合)
- 処方された薬をきちんと飲ませる
- 解熱剤を使用する
① 発熱後2~3日は子どもから目を離さない
発熱してから2~3日は子どもから目を離さず、大人が付き添い見守りましょう。
また、異常行動に備えて、玄関の窓やカギはしっかり閉じてください。
熱せん妄を起こすと、夢と現実の区別がつかなくなり、パニック状態になる場合があります。
- 家から急に飛び出す
- 窓から出ようとする
といったケースもあるため、子どもを一人にしないようにしてください。
子どもが不安にならないように、「身体をさすってあげる」などして、安心できる環境を作りましょう。
② 身体を冷やす
「保冷剤」や「氷枕」等を使って、
- 首筋
- 脇の下
- 太もも
などの部分を冷やしましょう。
汗をかいている場合には、こまめに着替えをさせてください。
熱が上がっていて震えているようなときには、身体を冷やさずに、毛布等で包んで温めてあげましょう。
③ 処方された薬をきちんと飲ませる
なお、薬を飲み忘れた場合に、次の服用時に多く飲んではいけません。
自己判断で薬を服用しないように気をつけましょう。
④ 解熱剤を使用する
38.5℃以上の高熱があり、
- 頭痛がひどい
- 苦しそうにしている
- 食欲がない
- 耳の痛み
- 体の痛み(筋肉痛)
等の症状がみられる場合は、解熱剤を使用してください。
解熱剤は、アセトアミノフェン系の薬剤で、「坐薬」もしくは「飲み薬」を使用します。
1日3回を目安に薬を服用し、6時間以上の間隔をあけるようにしましょう。
ただし解熱剤は治療薬ではないため、きちんと水分補給ができて、元気な様子であれば、無理に使用する必要はありません。また、熱の出始めではなく、熱が上がりきってから使用するとよいでしょう。
なお、生後6ヶ月未満の場合は解熱剤を使用できないので、注意してください。
げんせん: epark.jp