新型コロナウイルス感染症の基本情報をまとめました。
主な症状や感染経路、感染予防対策を確認しておきましょう。
抗原検査キットでセルフチェックする際の注意点や、療養期間についても解説します。
新型コロナウイルス感染症の主な症状
- 咳
- 喉の痛み
- 発熱
- 頭痛
- 体のだるさ
新型コロナウイルス感染症の主な症状として、上記が挙げられます。
一般的な風邪の症状とよく似ているため、見分けることが難しいです。
なお、症状には個人差があり、感染していても症状が出ないケースもあります。
新型コロナウイルスの変異株の種類によって、病気の重さが変わることもあります。
重症化して「肺炎」を起こすことも
新型コロナウイルス感染症を発症した人の中には、重症化する人もいます。
重症化するケースでは、通常の風邪の症状が出てから5~7日程度で急速に悪化し、「肺炎」を起こすといわれています。
重症化しやすいと考えられている人は、以下の通りです。
- 高齢者
- 基礎疾患がある人(糖尿病・心不全・呼吸器疾患など)
若い人であっても、重症化しないとは限りません。「サイトカインストーム」という過剰な免疫反応を起こすことにより、重症化したケースが報告されています。
新型コロナウイルスの感染経路
新型コロナウイルスの感染経路は、主に以下の3つに分けられます。
- 飛沫感染
- エアロゾル感染
- 接触感染
感染経路① 飛沫感染
飛沫感染とは、感染した人の口や鼻から放出される飛沫による感染のことです。
咳・くしゃみ・会話などの際に出る飛沫を吸い込んだり、飛沫がじかに目・鼻・口に接触したりすることで感染します。
感染経路➁ エアロゾル感染
エアロゾル感染とは、空気中に漂う「飛沫よりさらに小さな水分を含んだ状態の粒子(エアロゾル)」を介した感染のことです。
咳・くしゃみ・会話によって放出された飛沫のうち、液体を含んだ大きな粒子は数秒から数分以内で落下していきます。
しかし、エアロゾルと呼ばれる小さな粒子や乾燥した粒子は、数分から数時間にわたって空中を浮遊します。
エアロゾルにウイルスが含まれていた場合、これらを吸い込むことで、感染が起こります。
感染経路③ 接触感染
接触感染とは、「ウイルスが付着した手指」を介して起こる感染のことです。
ウイルスを含んだ飛沫を直接触ったり、ウイルスが付着した物の表面に触れたりすると、手にウイルスが付きます。
その手を洗わずに、自分の口や鼻、目を触ることで感染が起こります。
人から人にうつる期間
新型コロナウイルス感染症に感染した人が「他人にうつす可能性のある期間」は、発症の2日前から発症後7~10日とされています。
症状が出ていない、いわゆる「無症状」の人であっても、他人にうつしてしまう可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の予防法
新型コロナウイルス感染症を予防するためには、以下の「基本の感染対策」を行うことが重要です。
基本の感染対策
- こまめな手洗い・手指消毒
- マスクの着用
- 三密(密閉・密集・密接)の回避
- こまめな換気
感染対策① こまめな手洗い・手指消毒
ウイルスは、水で洗い流すことでかなりの数を減らすことができるので、こまめに手洗いを行いましょう。
石けんを使用すると、コロナウイルスの膜を壊すことができるため、さらに効果的です。
すぐに手洗いができないときは、手指消毒用のアルコールで消毒することも有効です。石けんでの手洗いと同様、コロナウイルスの膜を壊して感染力を軽減できます。
感染対策➁ マスクの着用
場所や状況に応じて、マスクを着用しましょう。隙間ができないように、しっかり顔にフィットさせることが大切です。
マスクを外す際は、ゴムやひもをつまんで外してください。
可能であれば、「不織布マスク」の着用をおすすめします。不織布マスクは、一般的なマスクの中で最も捕集効率が高いからです。
一般的なマスクでは、不織布マスク>布マスク>ウレタンマスクの順で予防効果が高くなります。
マスクの着用が「必要ない」とされる場面
以下の場面・状況では、感染のリスクが低いため、マスクの着用は必要ないとされています。
- 屋外で、人との距離(2m以上が目安)が確保できている
- 屋外で、距離は確保できないが、会話をほとんど行わない
- 屋内で、人との距離(2m以上が目安)が確保できていて、会話をほとんど行わない
※上記以外の場面・状況では、マスクの着用が推奨されています。
感染対策③ 三密(密閉・密集・密接)を避ける
新型コロナウイルス感染症は、「密閉」「密集」「密接」の場面において、集団感染のリスクが高まるとされています。
感染を予防するために、これら「3つの密を避ける」ことが重要です。
感染を拡大させる「3つの密」
- 密閉:換気の悪い密閉された空間
- 密集:大人数が密集した場所
- 密接:人と近い距離で会話・発声をする場面
感染対策④ こまめな換気
季節に関係なく、こまめに換気をすることが大切です。
対角線上にある窓やドアを2か所開けることで、効果的に空気を入れ替えられます。
お住まいの住宅に「常時換気設備(24時間換気システム)」が備わっている場合は、常時運転させましょう。
設置されていない場合は、キッチンや洗面所の換気扇を常に運転させてください。
常時換気設備や換気扇は、室温を大きく変動させずに最小限の換気量を確保できます。
感染が疑われる場合の対処法
発熱などの症状があり、新型コロナウイルス感染が疑われる場合、まずは「かかりつけ医」等の身近な医療機関に電話で相談しましょう。
かかりつけ医がいないなど、相談先に迷う場合は、各都道府県の「受診・相談センター」に相談してください。
なお、感染を広げてしまう恐れがあるため、仕事や学校はお休みしましょう。会食も控えてください。
早急に相談すべきケース
以下に当てはまる場合は、早急に「医療機関」またはお住まいの地域の「受診・相談センター」に相談してください。
- 息苦しさ(呼吸困難)がある
- 強いだるさ(倦怠感)がある
- 高熱が出ている
- 発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状が4日以上続いている
- 重症化しやすい人(※)で、比較的軽い風邪の症状がある
※重症化しやすい人:高齢者をはじめ、基礎疾患(糖尿病・心不全等)がある人、透析を受けている人、免疫抑制剤や抗がん剤を使用している人。
抗原検査キットを使用する際の注意点
抗原検査定性キットとは、新型コロナウイルス感染症の検査の一つである「抗原検査」に使用するキットです。一般家庭でも、感染しているかどうかのセルフチェックを行えます。
抗原検査キットは薬局やインターネットで購入できますが、国の承認を受けていない「研究用」とされるものも販売されているので注意が必要です。
インターネットで購入する際は、必ず国が承認したキットであることを確認してください。
「第1類医薬品」の表示が、国の承認を受けていることの目印となります。
陽性だった場合はどうなるの?
検査で陽性となった人は、症状や重症化リスクに応じて、「自宅療養」「入院」「宿泊療養(※)」のいずれかとなります。
※宿泊療養:各都道府県が用意する宿泊施設での療養。
なお、「陽性判明後の流れ」の詳細は、お住まいの自治体のホームページ等で確認してください。
自宅療養中に体調が変化した場合は、お住まいの自治体にある「健康フォローアップセンター」などの相談窓口に連絡しましょう。
療養期間は何日?
検査で陽性だった場合は、一定期間外出を控える必要があります。
療養・待機期間の日数は、下記の通り「症状がある場合」と「無症状の場合」で異なります。
▼症状がある場合
療養期間は、発症日(症状が出た日)を0日として7日間(症状の軽快後、24時間経過した場合に限る)。
症状が出た日から8日目に療養解除となります。
ただし、発症から10日目までは人に感染させるリスクがあるため、検温などの感染予防対策の徹底が必要です。
▼無症状の場合
療養期間は、検体採取日(検査を行った日)を0日として7日間。
検査を行った日から8日目に療養解除となります。
検査を行った日から5日目に検査キットで陰性が確認できた場合は、6日目に療養解除となります。
ただし、検査を行った日から7日目までは人に感染させるリスクがあるため、検温などの感染予防対策の徹底が必要です。
療養期間中に外出が可能なケース
療養期間中は、原則として外出を自粛しましょう。
ただし、「症状が軽快してから24時間以上経過した人」または「無症状の人」は、生活必需品の買い出しなどの必要最低限の外出が可能です。
外出する場合は、
- 外出時間・人と接する時間を短くする
- 公共交通機関を利用しない
- 必ずマスクを着用する
など、自主的な感染予防対策を徹底してください。
新型コロナウイルス感染症の治療法
新型コロナウイルス感染症の治療は、症状の程度によって変わってきます。
症状が軽い場合
症状が軽い場合は、薬を飲まなくても症状がおさまるケースが多いです。
対症療法として、解熱剤や咳止めなどの市販薬を使用してもかまいませんが、必ず医師や薬剤師に相談してからにしましょう。
特に、持病があって薬を常用している人は、飲み合わせの問題があるため注意が必要です。
中等症から重症に分類された場合
重症化リスクがあるケースや、症状が中等症・重症に分類されるケースでは、中和抗体薬・抗ウイルス薬・免疫抑制薬などが使用されます。
「人工呼吸器」や「集中治療室」での治療が必要となることもあります。
新型コロナウイルス感染症の後遺症
新型コロナウイルス感染症にかかると、回復した後も「後遺症(罹患後症状)」があらわれることがあります。
代表的な後遺症として、下記が挙げられます。
- 疲労感・倦怠感
- 関節痛・筋肉痛
- 咳・痰
- 息切れ
- 胸痛
- 動悸
- 頭痛
- 記憶障害
- 集中力低下
- 抑うつ
- 睡眠障害
- 下痢
- 腹痛
- 嗅覚障害・味覚障害
- 脱毛
- 筋力低下
なお、後遺症には、「発症したときから症状が続くケース」「回復後に新たに症状があらわれるケース」「症状がなくなった後に再びあらわれるケース」があります。
後遺症は治るの?
新型コロナウイルス感染症の後遺症は、時間の経過とともに改善することが多いとされています。
ただし、まだ不明な点も多く、世界的に調査研究が行われている最中です。
後遺症が続く…どうすればいい?
症状がなかなか改善せず続く場合は、ほかの病気により症状が出ている可能性も考えられます。
早めにかかりつけ医や身近な医療機関に相談しましょう。
自治体によっては、相談窓口や後遺症に対応している医療機関のリストを作成していることもあります。
ホームページ等で確認してみてください。
げんせん: epark.jp