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子どもの咳が夜だけひどい。止める方法は?長引くときは?|医師監修

子どもの夜の咳が止まらない・・・。
ひどい咳が続くとき、どうすればいい?

咳は「夜にひどくなりやすい」

基本的に、咳症状は夜に強く出やすいです。

夜になると副交感神経が優位になる影響で気管支が狭くなったり、体温より冷たい空気に触れることで気管支が敏感に反応しやすくなったりします。

夜の咳の「基本的な対処法」

喉が乾燥していたり、完全に横になる寝姿勢だと咳が出やすくなります。

  • 水を飲む
  • 加湿器をつける
  • 上半身を少し起こす
  • 寝室・寝具を清潔な状態にする
  • 部屋の温度を上げる(※寒い季節の場合)

といった対処をおすすめします。

咳が止まらない時は一度、子どもを起こしてあげてください。横になっている姿勢は、咳が強く出てしまうので、クッションなどに背中を預ける姿勢にしてあげましょう。起こしたら水分補給で喉の乾燥を緩和させましょう。

加湿器がないときの対処法

  • お湯を沸かすし、加湿する
  • 洗濯物を干す
  • カーテンに霧吹きをかける
  • お風呂にお湯を張る

など

市販薬の使用について

咳止め薬を飲んでもいいですか?
感染症や特定の病気が原因でないとわかっている場合は、咳止めも使用できます。
年齢や状態にあったものを使いましょう。

ただし、ウイルス・細菌感染のときは咳止めを使わないでください。咳を止めると、ウイルス・細菌の排出をとめてしまい、症状が長引いたり悪化したりすることがあります。

塗るタイプのくしゃみや鼻づまりを緩和する薬は、使用してもいいですか?
子どもが嫌がらなければ使うことも可能です。

咳症状を緩和させる働きが期待できるものではありますが、細菌感染など、咳の原因が別にある場合は、使用しても良くならない場合もあります。

なぜ?「夜だけ咳がでる」原因とは

夜にひどくなる「子どもの咳」の代表的な原因として

  • 空気の乾燥(コンコンと乾いた咳)
  • マイコプラズマ感染(肺からでるような重い空咳)
  • 気管支喘息(ゼーゼーとした呼吸)

があげられます。

それぞれの対策を解説します。

原因1 空気の乾燥(コンコンと乾いた咳)

乾燥している部屋で寝ていると咳が出る場合があります。
横になると咳が出やすくなります。

特に、風邪を引いた後は、まだ喉の粘膜の状態がもとに戻っていないので、ちょっとした刺激で咳が出てしまい止まらなくなる場合があります。

<咳の特徴>

  •  横になっていると咳が出やすい
  • コンコンと乾いた咳が止まらない

どう対処すればいい?

  1. 部屋を加湿する
  2. 少し状態を起こした状態で寝る
  3. 水を飲ませる

の3つを行ってあげましょう。

水を飲んだり加湿器を使うことで、喉を潤してあげましょう。
また、完全に横になるよりは、少し上体を起こす姿勢で横になると咳が出にくくなります。布団を重ねてその上に上半身を置くようにしましょう。

あまりに咳こむようであれば一度、体を起こして水を飲ませます。
小さい子どもで抱っこできる場合はしてあげましょう。楽になる場合もあります。

原因2 マイコプラズマ感染(肺からでるような重い空咳)

マイコプラズマは、子どもが感染しやすいウイルスです。
肺炎の原因にもなります。

<咳の特徴>

  • 咳が止まらない
  • 最初に発熱・鼻水・喉の痛みが出る
  • 徐々に痰の絡まない空咳が出る
  • さらに咳が激しくなり、痰が絡むようになる

どう対処すればいい?

肺から感じる重い咳がどんどんひどくなっている場合は、医療機関で検査を受けましょう。

マイコプラズマ感染は、一般の風邪薬では治りません
医療機関で処方される特定の種類の抗生物質を飲む必要があります。

原因3 気管支喘息(ゼーゼーとした呼吸)

夜、急に咳き込む”夜間発作性”の咳が強い場合は、「気管支喘息」の可能性があります。

気管支喘息は気管支の慢性的な炎症により、気管支の収縮が発作性に起こる病気です。

日中は気管支を拡張させるホルモンなどが多く分泌されていますが、夜間にそれが減るため、夜間から早朝にかけて気道が狭くなり咳がでやすくなります。

<咳の特徴>

  • 急に咳き込む(発作性の咳)
  • 夜間から早朝にゼーゼーと呼吸をする(息を吐くとき)

「夜咳がずっと長引いている」ときはアレルギーかも

子どもの夜の咳が長引いています。
なぜでしょうか…?
病気ではなく、加湿をしても咳がひどい場合は、アレルギーなどの可能性も考慮しましょう。

アレルギーの原因の例

  • カビ
  • 細菌
  • ダニの死骸や糞
  • 花粉
  • 埃などのハウスダスト

アレルギーの対処法

部屋の掃除をして、布団や布団カバーは清潔なものを使用してみましょう。

アレルギーは、原因を取り除かなければ良くならない場合もあります。

病院受診の目安

咳が1週間以上続くときは、医療機関に行きましょう。

咳がそこまで続く場合は、何らかの病気(喘息・アレルギー・マイコプラズマ肺炎・百日咳など)の可能性があります。医療機関で検査してもらいましょう。

咳の特徴 こんな症状がでるかも
喘息 急な発作的な咳がでる 呼吸時にゼーゼー」「ヒューヒュー」呼吸音がする
アレルギー 特定の場所・時間に、コンコンと短い乾いた咳がでる 鼻水・喉のイガイガ・目のかゆみなどを伴うことがある
マイコプラズマ肺炎 肺からでるような重い咳が止まらない(最初は空咳→痰がからむ咳になる) 38〜40度以上の発熱
百日咳 コンコン、エホエホという短い咳が続く 息を吸うときに、「ヒューヒュー」と音がする。

翌日以降、一度受診したほうがよい場合

  • 咳はでるが眠ることができる
  • 何度か咳で目をさますが、また治まる

といった場合は、次の日まで待って受診してもよいでしょう。

状態に気を付けて経過をみられてください。
※ただし、状態が悪化したときには夜間受診してください。

夜間診療を利用すべき場合

息はできているが、明らかにつらそうで症状が治まる気配がない場合は、夜間診療を受けましょう。

夜間診療を受けた場合、必ず翌日に昼間の医療機関でも診療を受けてください。

救急車を呼ぶ場合

  • 咳がひどく、息ができない
  • 息がしづらい
  • 息をするときにゼーゼーと胸を上下させている
  • 呼吸が止まった

といった場合は、至急救急車の手配をしましょう。

げんせん: epark.jp