みぞおちに筋肉痛のような痛みが…。
これって何かの病気?
みぞおちに「筋肉痛のような痛み」があるときに考えられる原因を、お医者さんに聞いてみました。
胆石症や心筋梗塞などの危険な病気が隠れていることもあるので、心当たりのある症状がないかチェックしましょう。
「みぞおちの筋肉痛のような痛み」の原因は?
- ストレスによる自律神経の乱れ
- 食生活の乱れ
- 食あたり(食中毒)
原因① ストレスによる自律神経の乱れ
すると、
- 胃酸が過剰に分泌される
- 胃粘液の分泌が減る
- 血流が減る
等の状態となり、みぞおちに筋肉痛のような痛みを生じることがあります。
自律神経の乱れを引き起こす要因として、心身のストレス以外に、睡眠不足・不規則な生活・ホルモンバランスの乱れ・寒暖差なども挙げられます。
原因➁ 食生活の乱れ
また、過剰なアルコール摂取・過剰な喫煙・刺激物の過剰摂取等により、みぞおちに痛みが生じる場合もあると考えられます。
原因③ 食あたり(食中毒)
すると、みぞおちに痛みが生じる場合があります。
こんな症状を伴うことも
胃粘膜が傷ついている場合、筋肉痛のような痛みの他にも
- キリキリするような痛み
- みぞおちが焼けるような痛み
などを引き起こす場合があります。
みぞおちの痛みの対処法は?
血流をよくするために、みぞおちの周辺を温めて、安静にしてください
しばらくして痛みが治まり、その後繰り返さないようであれば、そのまま様子をみてよいでしょう。
食事は、「時間をかけて煮込んだスープ」や「おかゆ」など、胃に負担の少ないものを食べるようにしてください。
こんな症状があるときは病院へ
- 痛みが続く・どんどん強くなる
- 胸痛を伴う
- 発熱を伴う
- 吐き気や下痢を伴う
胃の調子を整える「3つの習慣」
- 食生活を改善する
- 週3回以上運動をする
- 毎日6~8時間の睡眠をとる
予防法① 食生活を改善する
- 暴飲暴食や食べ過ぎに気をつける
- 脂肪分や糖質を多く含む食品を控える
- ゆっくり噛んで食べる
- 朝食を抜かない
- 辛いものを食べ過ぎない
- お酒・炭酸飲料を飲み過ぎない
予防法② 週3回以上運動をする
運動は、週に3~5回、1回15~30分程度を目安に行うといいでしょう。
運動することで血流がよくなり、自律神経が整いやすくなります。
予防法③ 毎日6~8時間程度の睡眠をとる
睡眠をしっかりとることで、ストレスの解消や疲労回復につながります。
すると、自律神経が整いやすくなるため、みぞおちの痛みの予防が期待できます。
また、寝るときは部屋を暗くしましょう。「メラトニン」という睡眠ホルモンが分泌され、入眠しやすくなります。
痛みが続く場合は病気の可能性もあり
- 逆流性食道炎
- 急性胃炎
- 胃・十二指腸潰瘍
- 胆石症
- 心筋梗塞
「みぞおちに筋肉痛のような痛み」がある場合、上記の病気が疑われるケースがあります。
それぞれの病気について紹介するので、該当する症状がないか確認しましょう。
病気① 逆流性食道炎
発症しやすい人は?
- 過食
- 早食い
- 肥満
- 脂肪を多く含む食品をとり過ぎている
- お酒をよく飲む
- 炭酸飲料をよく飲む
- タバコを吸う
こんな症状がでていませんか?
- みぞおちや胸部の痛み
- 胸焼け
- ゲップが増える
- 喉の違和感
- 声がかすれる
- 咳が続く
上記の症状が見られる場合は、逆流性食道炎が疑われます。
症状がなかなか改善しない、日常生活に支障が出るという人は、医療機関で受診しましょう。
逆流性食道炎の予防法
逆流性食道炎を予防するために、普段の生活では下記のことを意識しましょう。
- 食べ過ぎを防ぐ
- よく噛んでゆっくり食べる
- 脂肪を多く含む食品を控える
- お酒や炭酸飲料を控える
- 禁煙する
- 食後2時間は寝ないようにする
- ダイエットをする
- 腹部を締め付ける衣類を着用しない
病気② 急性胃炎
発症しやすい人は?
- 暴飲暴食している
- お酒をよく飲む
- 辛い食品をよく食べる
- ストレスをため込んでいる
上記のほかに、食あたり・ピロリ菌感染・薬の副作用などで発症することがあります。
こんな症状がでていませんか?
- みぞおちの痛み
- 胃がキリキリするような痛み
- 下痢
- 吐き気
急性胃腸炎が悪化すると下血・吐血などの症状が出るケースもあります。
急性胃腸炎が疑われる場合、病院で受診することをおすすめします。
また、発症してから2~3日は胃に負担をかけないようにして、安静に過ごしましょう。
病気③ 胃・十二指腸潰瘍
胃酸の消化作用と、粘膜を保護する粘液などのバランスが崩れている状態と考えられます。
発症しやすい人は?
- 疲労やストレスがたまっている
- 薬を常用している(ステロイド薬・非ステロイド性消炎鎮痛剤など)
こんな症状がでていませんか?
- みぞおち周辺のズキズキするような重い痛み
- 胸焼け
- 吐き気
- 食欲低下
上記の症状が見られる場合は、胃・十二指腸潰瘍が疑われます。
みぞおちの痛みが続いたり、日常生活に支障が出ていたりする場合は、医療機関で受診しましょう。
普段の生活では、「暴飲暴食を控える」「脂肪を多く含む食品をとり過ぎない」「ストレスをこまめに解消する」などを意識してください。
病気④ 胆石症
発症しやすい人は?
- 高齢者
- 脂肪を多く含む食品を好む
こんな症状がでていませんか?
- みぞおち・右上腹部の激痛
- 右肩の痛み
- 黄疸
胆石症が疑われる場合は、早急に医療機関で受診しましょう。
胆石症が悪化すると、「胆管炎」を起こして重症化する恐れがあります。
病気⑤ 心筋梗塞(心疾患)
血流が途絶えるため、心筋が壊死している状態だと考えられます。
発症しやすい人は?
- 肥満
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- タバコを吸う
こんな症状がでていませんか?
- みぞおちの強い痛み・やけるような痛み(灼熱感)
- みぞおちが絞めつけられるような感覚
- 冷や汗
- 吐き気
- 嘔吐
- 呼吸困難
心筋梗塞は命に関わる病気です。心筋梗塞と思われる症状がある場合は、早急に医療機関で受診するか、救急車を要請してください。
「痛みが続く」「発熱等を伴う」場合は消化器内科へ
- 痛みが続く・どんどん強くなる
- 突然痛みが生じる
- 決まった時間に痛みが生じる
- 発熱を伴う
- 吐き気や下痢を伴う
- 胸痛を伴う
消化器内科が自宅近くにない場合は、「内科」でもかまいません。
まずは「みぞおちの痛みの原因」を見極める必要があります。
原因に合わせた治療を受けて、症状の改善を目指しましょう。
※記事中の「病院」は、クリニック、診療所などの総称として使用しています。
げんせん: epark.jp